志文町
Home > Document > ノーダルポイントについて

公開:2013/08/20

ノーダルポイントについて

今さらながらのノーダルポイント

ネット検索すると色々とありますが、ここではその意味と実際の求め方について 私なりの考え方と方法を記述します。

ノーダルポイントとは何か

視差について

パノラマ撮影では、パン・チルトを繰り返して撮影しますが、レンズの向きが変わるとき 見えたり、見えなくなったりするモノがあると繋げなくなります。

上図は、カメラをチルトした状態を示しています。正しい位置にある2,5のカメラからは 塀の上に団子が一つ見えるハズです。 一方1,4のカメラでは下向きのとき団子が見えませんし、上向きのときは団子が2個見えると 思います。3,6のカメラでも同様のことが起きます。

このレンズの角度によってモノが見えたり見えなかったりすることを視差が出ている状態と言います。 hugin では、一方の画像にあってもう一方の画像に無いモノは消えます。またこうした視差がある 画像を繋ごうとすると柱などの直線が合わなくなる場合もあります。

ノーダルポイント

上図の2,5の位置、つまり視差が出ない位置がノーダルポイントです。それは多くの場合 レンズ内のどこかにあります。パン・チルトの中心をその位置に合わせると視差は出なくなります。

合わせると視差は出なくなります。と書きましたが、どれだけ回転させても絶対に視差が出ない ポイントというものはありません。これについては後述します。

ノーダルポイントの求め方

どこで視差をゼロにするのか

パノラマ撮影では、上下左右の画像と繋げるために「のりしろ」が必要で、そこに コントロールポイントを設定します。この隣の画像と重なる部分に視差があると上記の不具合が出ます。 「のりしろ」の中心とレンズ中央での見え方に違いが出ない位置を探します。 ところが、使用するレンズの焦点距離によって、パン・チルトは変わって来ます。ですから 何ミリのレンズで、どのように撮影するのかを決めるのが先になります。

パン・チルトの角度を決める

V-Tails さんが、レンズの焦点距離、種類(円周魚眼、対角魚眼、通常レンズ)、センサーサイズの違い に合わせて段数、枚数、角度などをビジュアルに求められるフリーソフトを公開されています。 http://www.ac.cyberhome.ne.jp/~v-tails/delphi/panocell.html とても便利に使わせて頂いています。 これを使ってお使いのレンズに合ったパン・チルト角度を求めます。

APSC + 17mm の場合ですと、パン・チルト角度ともに45度でカバーできます。(水平方向は40度 の方が良いかもしれません。)上下の画像の重なりの中心は、22.5度の位置にあります。 上図の赤丸と青矢印で示した位置に写る画像に視差が出なければ良いことになります。

実際の合わせ方

私は上図のプラ板でこしらえた道具を使っています。アルミブロックの形に意味はありません。 廃材を利用しているだけです。ブロックの付いた板を三脚に乗せて、白黒のプラ板を冷蔵庫などに 貼り付けて使います。カメラから三脚まで1m、三脚から冷蔵庫まで1m程度です。

まず、パノラマ雲台を水平にして、カメラの位置を一番後ろにします。画面の中央にプラ板が来るように 一枚撮影します。次ぎに、雲台を22.5度カメラが下を向くように傾けます。この時白いプラ板の 幅が小さくなるようでしたら、残念ながら、そのパノラマ雲台はお使いのカメラに対応出来ていません。

普通は、白の幅が大きくなります。先ほどのシーソーの絵を思い出して下さい。3の位置にあるハズです。 雲台はそのままで、カメラの位置を前にずらしていきます。だんだん幅が小さくなっていくと思います。 白の幅が明らかに小さくなるところまでずらします。小さくならない場合も残念ながら以下同文です。

白の幅が最初に撮影した時と見分けが付かなくなった少し手前と小さくなったところの間に ノーダルポイントがあります。1cm刻みで手前に戻しながら撮影します。撮影したデータを photoshop などで最初の画像と重ね合わせて見比べながら一番近い場所を探します。 見つかったら、その前後を2mm刻みで5枚程撮影して一番近い場所を探します。

ノーダルポイントの許容範囲は1mm程度なので、最後に1mm刻みで探します。

パンに対するポイントはカメラを下向きにしてパノラマ雲台の回転中心に画像の中心が来るように するだけです。画像の中心で、ファインダーの中心ではありません。一度撮影して photoshop で 画像の中心を確認された方が良いと思います。

最後に

違うレンズを使う場合は、当然ながら最初からです。パンに対するポイントはカメラが変わらない限り 必要ありません。

地道で根気のいる作業かもしれませんが、繋がらない絵を photoshop などで修正する手間を考えると 避けては通れないと思います。

inserted by FC2 system